新人、半年で休職する②

先輩たちに呼び出しを食らった帰り道、

「あ、これはもうヤバいな」と思った事をいまだによく覚えています。

今までどんなに仕事がつらくても

「新人だから仕方ない」

「仕事ができない自分が悪い」

「社会で働くってこんなもの」

と信じて疑いませんでした。このくらいでツラいとか甘すぎる。どの職場も同じ…。

でも、今回の呼び出しで本当にどうしたらいいか分からなくなりました。聞いても聞かなくても注意されるわ、結局何も解決しなくてお客さんに怒られるわ…。このままじゃ、きっと保たないなと。

このとき、お昼のお弁当は全く食べれないほど食欲も落ち、新人メンタルヘルスチェックは50点満点中45点。マズイなー…でも社会ってこんなもの？悩みました。

上司に相談しようか迷いましたが、勇気が出ません。何より、上司より先輩の方が権力のある雰囲気だったので言っても無駄な感じでした。

打つ手がなく、もう辞めてしまおうかなと思いました。郵便出しに行く道すがら、「あぁここで車に轢かれたら仕事行かなくていいんだぁ…」って道を眺めちゃったりね！……私のメンタルはもう長くないと悟りました。

でも辞めたら、「半年で辞めた新人」というやばい感じのレッテルを貼られて再就活。ブラック企業でも仕事内容の合わなさでもなく、理不尽な先輩に当たったせいでこんなリスク、絶対いやでした。

よし、異動を願い出よう！

次の日、人事に連絡。

新人だし相手にしてもらえないかも…と震えましたが、勇気を振り絞って

「相談したい事があるのですが…！」（震え）

さすが人事さん、その一言で察してくれて本店の部屋を取ってくれました。

また次の日に体調不良で有休を使い、相談に行きました。仕事を途中で抜け出すなんて絶対できないからです。（先輩に人事に行ったなんてバレたら、ね☆）

相談に際して、ただの愚痴にならないよう、内容をA41枚でリスト化して持参。経緯を説明して、異動を願い出ました。人事さんも真剣に話を聞いてくれました。

その時強調したのは、先輩に困っているだけで、仕事が嫌いなわけじゃないということ。ただの軟弱な新人と思われたら困りますからね。人事さんの回答はこうでした。

先輩に新人を育てる気持ちがないことはよくわかった。でも入って半年で異動はさすがにできない。３月まで頑張れ！

あーあ、やっぱり無理か…と思いつつ、とりあえず人事に事実を伝えてホッ。まぁ、３月まで頑張ればこんな環境とおさらば！まあよし！！と強がってみました。社会人だもの…そんな甘くないよね…。

しかし、そんな付け焼き刃のような強がりは現実を前にして打ち砕かれ、翌日急な有休の報復と言わんばかりに先輩A①②③トリプルパンチ＋Bの加勢でコテンパンにされ、私のMP(メンタルポイント)は0になりました。

次の日、ついにベッドから起き上がれませんでした。先輩たちの冷たい目、お客さんからの罵声、マイナスなことしか起こらない環境。３月までなんて無理…甘いとか弱いとかどうでもいい。行きたくない。

携帯家電ともに何回も鳴りました。同期から、なにがあったの？大丈夫？のLINEもぜんぶ無視して寝ました。

もう辞めるしかない。

頑張って就活して、せっかく決まった仕事だったのに私って一体…。目の前が真っ暗になりました。

不思議なことに涙は出ませんでした。泣いてもなにも変わらないと妙に冷静でした。私は社会不適合者なんだろうな、メンタルが弱すぎる…この先どこに行っても同じだろうな…の繰り返しでした。

しかし、この時私は知りませんでした。

辞める必要もなければ、世の中には色々な職場があることを。優しい先輩がいることも。

つづく。